恋愛がわからなかった私が、アセクシャルを自認するまで
アセクシャルという言葉を知ったのは大学生の頃でした。
それまでは「みんなが当たり前に感じている恋愛感情」を自分だけ理解できず、ずっと不思議に思っていました。
今回は、私がアセクシャルを自認するまでの経緯を書いてみようと思います。
いつ頃違和感を感じ始めたか
私は小中高と共学でしたが、異性との交流はあまりありませんでした。
小中学生の頃は、周囲に恋人がいる子もほとんどおらず、恋愛について考えること自体ありませんでした。仲の良い友達も女の子ばかりでした。
高校は元女子校だったこともあり、さらに女の子に囲まれた環境で過ごしていました。
それでも周囲には恋人がいる子が増え始め、「彼氏」という存在を意識し始めたのはこの頃だったと思います。
大学で広がった異性との交流
大学は経済系の大学に入学したので男女比的に男子が圧倒的に多く、必然的に男の人と関わる機会が増えました。
高校までは異性と関わる機会がほとんどなく、どこか遠い存在のように感じていました。
けれど話してみると案外同じ生き物だなと思った記憶があります。
大学で知り合った一番仲の良い女友達は、いつも彼氏がいるタイプの子でした。
その影響もあって、私は「彼氏」という存在を強く意識するようになりました。
当時は、自分にもいつか好きな人ができて、恋をして、彼氏ができるものだと思っていました。
でも、なかなか好きな人ができません。
大学生になってたくさんの男の人と知り合い、二人で遊びに行く機会も増えました。
一緒にいて楽しいし、また遊びたいとも思います。けれど、それ以上の感情が生まれませんでした。
友達として好きだと思うことはあっても、恋愛感情に発展することがなかったのです。
漫画やドラマで見るような、ドキドキしたり、相手のことばかり考えたり、LINEのやり取りが楽しみになったりする「あの感情」が、私にはよくわかりませんでした。
大学でたくさんの異性と出会ったことで、むしろ疑問は大きくなりました。
「あれ?みんなどうやって人を好きになっているんだろう?」
一緒にいて楽しいし、友達として好きな気持ちはわかる。
でも、その先にある恋愛感情への変化が私にはわかりませんでした。
恋愛感情って本当に存在するの?
みんなが言っている『好き』ってどんな感情なんだろう?
そんなことを考えるようになったのが、大学3年生頃だったと思います。
そんな悩みを抱える中で、私はあることを考えるようになりました。
男性に興味が持てないのなら、もしかして私は女性が好きなのだろうか?
男に興味ないならもしかしてわたしってビアン?
大学3年生の頃、ビアン向けのオフ会に参加してみました。
ところが、全然話が合いませんでした。
「彼女とどこに行きたい?」
「タチネコどっち?」
「彼女と温泉に行ける?」
「自分からキスしたいタイプ?」
そんな話を振られるたびに、
「え、よく分からない……」
となっていたのを覚えています。
その時に初めて、「私は女性が(恋愛的に)好きなわけでもないんだ」と気づきました。
アセクシャルを知った経緯
ビアンではないと気づいた私は、ますます自分が分からなくなりました。
男性も好きになれない。女性も好きになれない。
じゃあ私は何なんだろう?
そう思い、インターネットで調べ始めました。
その中で見つけたのが、「セクシャリティAtoZ」というページでした。

そこには、私がそれまで知らなかったたくさんのセクシャリティが紹介されていました。
「こんなにいろいろなあり方があるんだ」
そう思いながら読み進めていると、ある言葉が目に留まりました。
Aromantic-asexual(アロマンティック・アセクシャル)
恋愛感情を抱かず、性的な惹かれも感じない人。
その説明を読んだ瞬間、「これだ」と思いました。
見つけた時、すごく嬉しかったです。
それまで漠然としていた自分の感覚に、初めて名前が付いたからです。
「同じような人がいるんだ」
そんな気持ちになったのを覚えています。
名前が分かれば調べることもできます。
他の当事者の話を読んだり、自分について理解を深めたりすることもできます。
アセクシャルという言葉を知ったことで、たくさんの人と出会うことができました。
友達も増えました。
マイノリティだからこそ出会えた人たちがいます。
当時は悩んでいたことも、今では自分の大切な一部です。
だから私は、自分がアセクシャルであることに感謝しています。
アセクシャルだからこそ出会えた人がいて、アセクシャルだからこそ今の自分がいると思うからです。